kanizaのブログ

コンピュータ、ソフトウェア、映画、音楽関連や家族のことなど、思いついたことを書きます。

「映画を早送りで見る人たち」を読んだ

ちょっと前に読んだ本。面白すぎて久々に一気に読めた。

タイトルにある通り「映画を早送りで見る人たち」とその背景について掘り下げている。

映画もドラマもサブスク時代、YouTubeにも映像があふれかえっている。そういった状況が、僕たちにとっての映像作品の意味を確実に変えていっている。僕などは少ない小遣いから高価なVHSやレーザーディスクに収められた映像作品を買って、そればっかり何度も何度も繰り返し見た経験があるのだが、いまの若い人は物心ついたらYouTubeもサブスクもあったというある意味スゴい時代に育っている。

そりゃ価値観違うわけだ。良い悪いではなく。焼肉も、食べ放題だったら一切れずつ味わうよりもたくさん食べることを優先してしまうわけで。

かくいう僕自身も、語り系のYouTubeポッドキャストは当たり前のように早送りで見たり聞いたりしている(そして「それは映画とは違う」と心の中で言い訳している)。

これだけ書くと単に早送りは「サブスクで見放題になったから」みたいに読めてしまうかもしれないけど、本書はそんなに浅くなくて、タイパ主義や快楽主義、さまざまな社会の変化など、多角的に論じていてとても良い。そして最後は自分自身の態度についてもとても考えさせてくれる。

おすすめです。