kanizaのブログ

コンピュータ、ソフトウェア、映画、音楽関連や家族のことなど、思いついたことを書きます。

父とウイスキーと祖母

すいぶん前に父と祖母(ばあちゃん)から聞いた話を思い出として書いておく。

一時期、父はよく登山していた。本格的なものではなく、登山というより山登りとかハイキングといったほうがいいのかもしれない。酒が好きな父は、山頂からの景色を見ながら一杯やるのを楽しみにしていた。

ある日の朝、父は登山に出かけるために準備しつつ、山頂で飲むためのウイスキーを小瓶に詰めた。そのあと出発して、山頂についた時にその小瓶を家に置き忘れてきたことに気付いたのだそうだ。せっかくの楽しみを忘れてきてしまい残念がる父。同時に、ある心配が頭に浮かんだ。

そのウイスキーを詰めた小瓶は、めんつゆの空瓶だった。「めんつゆ」と書いてありつつも中身がウイスキーの小瓶を、台所のテーブルに置き忘れてきてしまったわけ。その日、祖母は家にいて昼食をとるはずだったので「ばあちゃんがめんつゆと間違えてソーメンでも食ってなきゃいいけどなぁ」と心配になったとのこと。当時は携帯電話もなく、連絡をとる方法はない。

ちょうどその頃、家では祖母が昼食をとっていた。そう、まさに素麺を茹でて、テーブルにあっためんつゆで食べてしまったわけですね。しかしそのめんつゆの正体はウイスキーウイスキー好きならウマいのかもしれないが、祖母にとってはとても食べられたものではなく、正体がウイスキーだとわかったわけでもなく、いったいどういうことなのか謎だったようだ。

祖母いわく「うんもねぇつゆらなーと思ったいや(おいしくないつゆだなぁと思ったよ)」。祖母は酒に強い人ではなかったが、幸いにして具合が悪くなったりすることはなく、帰宅した父から話を聞いて「そうらったがーか(そうだったのかー)」と納得(?)していたそうだ。

めんつゆとウイスキー、色が似ていないくもないし、「めんつゆ」と書いた瓶に入ってたらそりゃめんつゆだと思うよねぇ。