kanizaのブログ

コンピュータ、ソフトウェア、映画、音楽関連や家族のことなど、思いついたことを書きます。

Getting Things Done

仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法

仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法

昨今、盛り上がっている「Getting Things Done」、略して「GTD」の本。僕もすっかり盛り上がってしまって呪文のように「Getting Things Done」とか「GTD」とか唱えている。

概要については「Getting Things Done (a.k.a. GTD) part (1) 」から始まる一連のエントリで紹介されていたのを読ませてもらった。元ネタ本の日本語訳もあるということでぜひ読んでみたいと思って梅田周辺の本屋を巡ったんだけどいっこうに見当たらず、Amazon.co.jp に注文。でも届いた後にもう一度本屋に行ったら平積みになっていた。流行り出したってことかな。

そういうわけで、しばらくGTDを意識して暮らしてみている。まだまだGTDシステムにすべてを委ねられるほどには至っていないけど、かなり強力であることは実感できている。GTDに使うツールも、自分に合ったものがようやく見つかった気がしている。

前に読んだ「達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道」に出ていた「割れ窓理論」、「XPエクストリーム・プログラミング入門―ソフトウェア開発の究極の手法」「7つの習慣-成功には原則があった!」「知的生産の技術 (岩波新書)」「「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)」なんかとも、つながるものを感じるな。うん。

GTDの基本は、頭の中をすべて外部記憶に書き出して、脳を「記憶」や「思い出す」ためではなく「処理」するために使おうという、ごくシンプルことなんだけど、その根拠となっている人間の心理、感情といったものはよく研究されているなぁと思う。

このところ僕も人並にいろんな仕事や予定をこなさないといけなくなったせいで、いろいろ「あれやんなきゃ」「これやんなきゃ」とモヤモヤしている事がある。そんな中で「あぁ、そう。だから前に進まないんだよな」と納得する記述がたくさんあった。仕事がなかなか手に付かないのは「もっと他にやることがあるのに」という感覚であることが多いんだよね。しかも他の「やること」が何なのか、具体的なアクションまでは考えていなかったりする。そういうのをぜんぶ書き出してしまうことで、「適切な時に適切に処理されるはず」と安心できる(某首相みたいだな)。この「安心」が重要。

それから、気の進まない仕事ってのは、そのことを考えたり、何をするのかについて思い出すこと自体がストレスだったりする。だから、あらかじめリストに書いておいて、その仕事ができる環境にあるときに、頭を使わなくても必要なアクションが出てくるというのは効果的。試してみてわかった。やることがはっきししていれば、ともかくやってしまえる。

僕にとって大事だと思ったのは次の点。

  • 部屋は整理しておく。散らかってると何もやる気にならない。というかGTDの第一歩は整理することだったりする。
  • 「システム」は完全に保つ(Daily/Weeklyレビュー)。そうしないと頭がクリアにならない。また、「割れ窓理論」のようにさらなる「不完全さ」につながる。
  • 整理のための消耗品(ファイルとかホチキスの針とか)は余るほど用意しておく。「足りない」とかいう状況になるとやる気がなくなる。
  • シンプルで手に馴染む使いやすいツールを選ぶ。できるだけ、どこでも使えるものにする。職場、自宅、外出先、オフラインなどなど。

整理するとか使いやすいツールを使うとか当たり前なんだけど、「整理するって何よ?」「使いやすいツールって何よ?」という点での指針をこの本が与えてくれる。いろんな物事をどういう観点で整理するのか、何をするための「使いやすいツール」が必要なのか。最終的なツールの選択は各自に任さてれている。だから理想のGTDツールを求めてみんながあれこれ試してるんだよね。それがまた面白かったりもする。

とりあえず即効性はあると思う。世の中の「仕事ができる人」ってのは、それぞれGTD的なことをしているんではないかなと想像している。そういうノウハウを、シンプルかつ徹底した形で一般化した成果ではないかな。とりあえずおすすめだ。仕事仲間にも読んでほしい。訳書の表紙のアルファベットがChicagoフォントなところもワタクシ的には嬉しい。

僕のGTDツールについてもそのうち紹介したい。