kanizaのブログ

コンピュータ、ソフトウェア、映画、音楽関連や家族のことなど、思いついたことを書きます。

アート・オブ・プロジェクトマネジメント

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

しばらく前に読んだ本。村上雅章さんの翻訳ということで興味を持った。著者は元MicrosoftInternet Explorerとかを開発していた方だそうだ。関連するエピソードもたくさん出てくる。

「アート」の領域に達するような(ソフトウェア開発の)プロジェクトマネジメントのためには、円滑な人間関係、明確なビジョン、正確な文書化、スケジューリング、政治などなど、ものすごいいろんなことを的確にこなしていかなきゃならんのですな、と、途方に暮れてしまった。でも「プロジェクトマネジメント」という、かなり広い意味を持った役割について包括的に書かれていて、自分ができていないことや気付いていないこと、そのために覚悟しなければならないリスクを認識するのには良いと思う。ここに書いてあるようにぜんぶできればスゴイよ(こんな分厚い本まで書けたらもっとスゴイ)。

特に印象に残ったのは「飛行機の前方を飛行する」って話と、政治力についての話。

「飛行機の前方を飛行する」ってのは、GTDとかの生産性向上の話にもよくでてくる「自分がコントロールしている」という感覚に通じるものだと思う。それができないと、次々に振りかかってくる事態に振り回されっぱなしになる。うーん、わかるなぁ。

政治力については、組織で力を持っている人にいかに影響をおよぼすか、という話があった。総理大臣だって、社長だって部長だって、いろいろな決定をぜんぶ自分で考えてするわけじゃない。その決定に強い影響を与える存在が必ずいる。そうやって影響を与えられれば、自分自身が決定権を持たなくてもいいわけだよね。決定を下す側としては、良い影響を与えてくれるメンバをいかに確保するかってのが大事なんだろうな。

プロジェクトマネージャを目指す人は読んで損はないはず。僕がプロジェクトマネージャを目指しているかというとそうでもないんだけど、プロジェクトマネジメントとは何ぞやということは知っておきたかったので読んで良かった。