kanizaのブログ

コンピュータ、ソフトウェア、映画、音楽関連や家族のことなど、思いついたことを書きます。

「私たちはどう学んでいるのか」を読んだ

rebuild.fmなどの出演で有名な伊藤直也さんがSNSでおすすめしているのを見て読んでみた。とても良かった。

理解力、思考力、コミュニケーション力など、人の知的活動への評価を「○○力」と表現することへの異論から始まり、学び、発達、ひらめきといった起こると嬉しいことについて深い深い洞察が述べられている。さまざまな教育や学習の場では、そういった嬉しいことを起こすために、あれやこれやの取り組みがなされているわけだ。

そういった取り組みって、どのくらいうまくいっているのか。

当然うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあるんだろうけど、うまくいかない場合は「学習者の○○力が足りない」みたいな理屈で片付けられてしまったりしてそうだよね。もちろん僕もそう思ってきた。「◯◯さんは論理的思考力が足りないのかもね」とか。

いや、そもそも知的活動についての理解が違ってない?ということを考えさせてくれる。

健在意識・潜在意識の話(ヒューマンファクター)や、学校が工場をモデルにしていること(「第三の波」)、徒弟制度について(「ソフトウェア職人気質」)など、これまで触れてきた議論ともつながるところがあってそれぞれ説得力を感じた。

素朴理論による思い込みは危険ですな。