建設か中止かということで問題になっていた、東海道新幹線の栗東駅の建設が正式に中止になったのだそうだ。
僕がGoogleアラートに「新幹線」を指定して、日々の新幹線ニュースをチェックしているのも、この栗東駅の問題が気になったのがきっかけだった。
こういう計画は、あるていどまで進んでしまうと中止が困難になってしまう。中止への主な反対は「これまでの投資を無駄にするのか!」というものに見えたけど、それだけで推進してしまってはいろんな事業はホントに破綻するまで続けるしかなくなってしまう。気持ちはわかるけど。
前に読んだ「希望格差社会」では、教育にある似たような構図を描いていた。親子で将来の夢を描いて、たとえば映画俳優になりたいと思ったとする。演技の学校に入れたり、いろんなオーディションを受けたりと、たくさんのお金やエネルギーを投資しても、なかなかうまくいかないケースは多いはず。でも「これまでの投資を無駄にしたくない」という思いから、なかなかあきらめられない。子は夢を見つづけ、投資を回収したい親もいっしょに夢を見てしまい、現実から目をそらす。でも、いつかは現実が立ちはだかるんだよね。
「これまでの投資を無駄にできない」とか「ここまでやっちゃったんだから」とかっていう圧力はけっこう強い。他の人からも、自分自身からも。過去は過去として、未来をどうやって良いものにするかを大事にしたいものだ。
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く (ちくま文庫)
- 作者: 山田昌弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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