kanizaのブログ

コンピュータ、ソフトウェア、映画、音楽関連や家族のことなど、思いついたことを書きます。

アジャイルレトロスペクティブズ

アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き

アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き

「レトロスペクティブ」というのはあまり聞き慣れない言葉だけど、本書によれば「ふりかえり」ということだそうだ。ソフトウェア開発プロジェクトにおいて、随所に「ふりかえり」、まぁ、言ってみれば「反省会」みたいなものをやって。強いチームになりましょうと。ただ「反省会」というと悪かったところを挙げてしまうイメージがあってよろしくないので、「ふりかえり」という言葉が使われている。

本書ではそういった「ふりかえり」をどうやって実施し、進めるかや、その中で使えるアクティビティを多く紹介している。ファシリテーション技術本に近い感じ。書かれていることの多くはソフトウェア開発に限らず使えるんじゃないかな。ただ、ソフトウェア開発チームにありがちな問題点を重視していることは間違いない。

ところで「反省」という言葉が良くない意味になってしまって、本来「レトロスペクティブ」の訳語となってもいいはずの「反省会」では語弊があるというのはよろしくないよね。なんか悪いことしたときに「すんません、反省してます」ってのも「反省してます」が「悪かったと思ってます」みたいな意味いなっちゃってる。言葉本来とは違う意味が定着するのは仕方がないけど、その本来の意味を表現しようとしたときにどういう言葉を使えばいいのかに困っちゃうことがあるわけですな。

本書では「反省会」でもなく「振り返り」でもなくひらがなの「ふりかえり」という言葉を使っている。たしかにしっくりくる。ここまで語感にこだわってくれたことに拍手。