ぼちぼち読んでいるこのシリーズ。初代ローマ皇帝アウグストゥスに続く、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロについての物語。しばらく前に読んだ。この4皇帝は「悪名高き」ということだけど、僕が知ってたのはネロくらい。あとのは聞いたことあるような、ないような。
読んでると、カリグラとネロはさすがにひどいことをしている感じがする。この2人はどちらも若くして帝位について(カリグラ24歳、ネロ16歳)、当初は大喝采を浴びるのだけど、その後はちゃめちゃが過ぎて、けっきょく若いうちに命を落とすことになる(カリグラ28歳で殺害、ネロ30歳で自害)。いわゆる暴君ということで悪名が高いのもうなずける。ただ、暴君の代名詞みたいなネロも、初期はかなり評価の高いことをしている。なんだかんだ言って14年くらい帝位に就いてたんだもんねぇ。
ティベリウスとクラウディウスはカリグラやネロと比べるととても地味。地味すぎて人気がなかったということで悪名が高いようだ。どちらも十分に成熟した年齢で即位(ティベリウス55歳、クラウディウス50歳)してるから、まぁ、比較的地味なのもわかる。ティベリウスが亡くなったのは77歳、クラウディウスは63歳。クラウディウスについては毒殺説もあるそうだけど、当時としては長生きの部類に入るのではないかな。
著者はティベリウスをとても高く評価している。読んでて、たしかに地味だけど、必要以上に権力をふりかざすこともなく、自らの神格化も拒否し、着実に帝国の基盤を固めていくところはカッコイイと思った。なのに、亡くなったとき市民はみんな喜んだそうだ。気の毒に。
若く派手な皇帝が喝采を浴びた後に暴政に走ったり、堅実な治世を進める老帝が不人気だったりというのは、いかにもありそうな話だ。どうすれば良いバランスが保てるのか。政治ってほんとに難しいなぁと、主権者の1人として思う。
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