KaniWebという名前で、個人のウェブサイトを作ってみた。
見てのとおり、1990年代みたいなサイト。Web黎明期のブラウザはデフォルトの背景色がグレーで、多くのサイトがこういう感じだった(あの色づかいはWorldWideWebがNeXTで開発された影響だと思う)。
記憶にある限り、はじめて作ったウェブサイトは「tetsuya's homepage」みたいな名前だった。当時はたいていのプロバイダでホームページを持つことができて、僕はSo-netのサーバにFTPでファイル転送していた。その後、個人のサイトは大学の研究室のサーバで管理するようになった。Emacsでホームディレクトリのpublic_html内を編集すると、そのまま公開されているという素敵な(?)環境であった。いまどきのSNSみたいに、一日に何回も更新していたっけ。
就職してからは再びSo-netのサイトをメインにした。その、就職した頃にSo-netで再開した時のサイト名が「KaniWeb」だった。
さらにその後、Dynamic DNSを使って自宅サーバで運用するようになった。そのサイトもKaniWebだった。自宅サーバ時代はXMLからXLSTでHTMLを生成するみたいなことをやっていた。
ブログサービスやらソーシャルブックマークやらmixiやらFacebookやらTwitterやらが流行りはじめて、そちらでの発信が便利になったので、個人サイトの運営はいつしかやめてしまっていた。はてなダイアリーを「KaniWeb または かに日記」として書き、はてなブログに移行したときに現在の「kanizaのブログ」になった。
こう、時代が進むにつれ、ぱぱっと書いたHTMLを公開するというのが、なかなか敷居の高いことになってしまったような気がするんだよね。セキュリティ管理もしんどいし。
今回のKaniWebではAWSのS3に置いたファイルをAmplify Hostingを使ってデプロイしている。サーバレスで技術的に心配することはほとんどない。サイトを作った目的のひとつは、このAmplify Hostingの機能について学ぶため。
もうひとつの目的は、いわゆるアプリケーションに依存しない、作ったファイルをそのままホストできる環境を自分のドメインで持っておきたいと考えたから。いまのところ、ここのブログの記事からいくつかピックアップして微調整したものを転載しているが、そのうちいろいろ増やしていこうかなと。
さっきの敷居の話などもあり、昔を懐かしんでいる気持ちを込めて、見た目を90年代風にしている。90年代は個人サイトにメールアドレスを載せるのが当たり前だったが、スパム地獄によってそれも控えられる時代になった。そんな中、あえてメールアドレスを載せている。ただし画像。しかもSVG。このあたりは現代風。
HTMLはEmacs Org Modeで書いたものをorg-publishで生成している。手元の作業としては、Emacsで編集してmakeするとorg-publishしてS3にsyncしてAmplifyのデプロイが走るという仕掛け。便利。
そんな感じです。