1960年代に出版された、日本の社会のありようについて見事に分析している本。よく「横並び意識」とか「出る杭は打たれる」と言われるものをはじめとする日本社会や組織の問題点が、どういった特質から生まれているのかが、すごく納得できる形で説明されている。
良し悪しはともかく、この本で書かれている日本社会の特質はいまでもしっかり残っている。いろんな組織にある問題も、そういう特質を無視しては解決できないような気がするなぁ。求めているような(欧米の本で言われているような)組織のあり方や動きは、果たして日本社会において実現できるのか、できるとしたら何を捨てなければならないのか、考えさせられる。日本社会特有の組織の理想形みたいなものが必要なのかもしれない。
しかしまぁ、日本の社会と欧米やインドの社会ってこの本にあるほど歴然と違うもんなのかなぁ。いちど、その違いを身をもって経験してみたいものだ。
- 作者: 中根千枝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1967/02/16
- メディア: 新書
- 購入: 5人 クリック: 56回
- この商品を含むブログ (65件) を見る