- 作者: いとうせいこう,みうらじゅん
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/06/01
- メディア: 文庫
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ふじまるさんが持っていた本。春ごろに読んでいた。だいぶ前だな。
いとうせいこうとみうらじゅんが各地の仏像を見てまわった様子を、いとうせいこうがまとめている。みうらじゅんは絵を担当。「じゅんの恩返し」でも言っていたけど、みうらじゅんは仏像マニアなので、「ブツ(仏)」を見るのが楽しくて仕方ないらしい。ブツを見るたびに、人智を越えた反応をするみうらじゅんの味わいを、いとうせいこうがとても上手に表現している。思わず笑ってしまうので通勤電車では読めない困った本でもあった。
これを読んで、仏像に興味を持った。で、読んでいた4月のある日、花見も兼ねて奈良の法隆寺にふじまるさんと行ったのだった。聖徳太子が建立した世界最古の木造建築である法隆寺には、いちど行ってみたいと思っていた。
けっこう長いこと電車に乗った末に着いた法隆寺駅。そこから、自転車をレンタルして法隆寺まで走った。やっと着いた法隆寺では、釈迦三尊像とか、むかし教科書で見た仏像が生で見られて感激。他にもいろんな仏像を見た。
同じ「仏」の「像」でも、いろんな表現があるというのが面白い。それぞれ、何かを伝えようとして作られているんだろうな。たとえば、優しさとか、激しさとか。そういうのが、微妙な表情とか、手の形とか、肉づきとか、そういうところに表われている。そういうのを推察しつつ「いい表情だなぁ」とか思うわけですな。もう、すっかりマニア気取り。
あくまで仏像ということでどれも似ていると言えば似ているけど、違う。こういう仏像が作られはじめたころ、著作権とか肖像権とかの考え方があったら厄介だったろうなぁ、としょーもない心配をしてみたりもした。