ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/07/01
- メディア: 文庫
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昨年からぽつぽつ読んでいる「ローマ人の物語」。もともとの2巻目にあたる「ハンニバル戦記」の上・中・下と読み終わった。ポエニ戦役を扱っている。
「カルタゴの名将ハンニバル」というのは歴史の授業で習って知っているものの、何がどう「名将」なのかはよくわからんかった。でもこれを読めばハンニバルがいかにスゴイか、イヤと言うほどわかる。おそるべしハンニバル。そして、それを描写する著者の思い入れがすごく伝わってくる。最後にはハンニバルに勝利するスキピオの名将ぶり、そのスキピオへの著者の思い入れもまたすばらしい。
今の世の中も戦争ってのは絶えないんだけど、ハンニバルたちの時代の戦争ってどんな感じだったんかな。ハンニバルはスペインからフランス、アルプスをこえてイタリアに攻め込むまでに4ヶ月とかかかってる。さらに攻め込んだ当時29才だったハンニバルは、その後40才をこえてもまだ敵地イタリアで戦い続けているわけで、ものすごく気の長い話だ。すごい。
この本に出てくる大きな会戦では何千、何万人もの兵士が死んでいる。これもまたおそろしいことだよな。勝った側は「犠牲は百に満たなかった」とかって言っても、何十人も死んでることになるもんな。どの兵士にも、それぞれの物語があるんだもんな。